令和6年度から第9期介護保険事業がスタートします。市町村では新たな事業計画策定に向けて作業中ですが、これに伴い道内シンクタンク様から道内3団体の条例改正支援業務を受託しました。具体的には介護保険法をはじめとする関係法令の改正や新たな保険料の額の設定などに伴う当該団体の条例・規則等の改正をサポートするものです。

条例・規則の改正事務は札幌市職員時代に様々な分野で経験してきました。おそらく事務職員としては最も期待されて担当する業務の一つです。札幌市では、すべての条例・規則等に係る起案は法制担当課において厳しく審査されます。まさに今、そうした経験が活かされる業務を受注しました。私が行政書士の肩書で最もやりたかったことの一つです。

ご存じのように地方自治体も人手不足です。ましてや町村では専門知識を有する人材を確保することも、育てることも容易ではありません。そこで、知識と経験を有した公務員OBを有効活用する仕組みが必要です。私は、こうした自治体職員の「実務」をサポートする力量を有することが、行政書士と他の士業との差別化となり、ステータス向上につながるものと思っています。

現在、行政書士会は「町の法律家」を標榜しています。しかし開業して正直なところ、やや“大風呂敷”感は否めません。なぜなら一般常識的には法律の専門家はやはり弁護士・司法書士だからです。同じく法律家を名乗るなら、私は「地域の法律」である地元自治体の条例・規則等に精通していることを訴求すべきだと思います。このことにより行政書士は、官庁への各種届出・申請をはじめとする地元ルールに詳しい専門家として他の士業との役割分担がイメージでき、認知度向上が図られるものと思っています。

今回の受注で、当事務所は官と民をつなぐ“知の拠点”化への大きな一歩を踏み出すことができたと思っています。